会社はあなたを育ててくれない
「成長の機会も時間も足りてない」
「ロールモデルになる上司がいない」
「我慢しててもチャンスを逃すだけで報われない」
「まわりに差をつけられてる気がする」
若い社会人のみなさんがこうした不安を感じるのには、現代の仕事環境における、ある一つの特徴が背景にあります。それは、
「会社はあなたを育ててくれない」
という事実です。「ゆるい職場」が広がる現在の労働社会は、働く個人にとっては“すべてが自分しだい”という、実はとてもシビアな環境でもあるのです。
本書は、漠とした不安や焦りを生み出している社会の状況や個人に求められている考え方や行動のありかたを可視化しながら、私たちがどのようにキャリア(働きかた、生きていきかた)をデザインし、具体的に思考しアクションを起こしていくべきかを、2000人を超える20代社会人への調査や各種最新データをもとに提示します。
20代の若手社員はもちろん、就活生や30-40代の中堅社員、また若手社員と相対する管理職層や経営職層にも必読の一冊です。
《目次》
はじめに ー変わってしまった世界で
▼Chapter1 会社はあなたを育ててくれない
「素人をイチから育てる」はイノベーションだった
二つの転機、「就職難」と「ブラック企業」
可視化された「働きやすさ」
ゆるい職場の登場
もはや別の国
「ゆるい若者」という幻想
仕事観は多様化している
食い違う、時間の余白と心の余白
では、誰が育ててくれるのか
▼Chapter2 「選択できる」ことは幸か不幸か
日本の働きかたのデザインを変えた2冊
選択のタイミングは何回あるのか
「退職という選択」の肯定
選択回数が増えることの意味
①選択のタイミングの早期化/②選択権の問題/③サバイブによる満足感/④運の要素の低下
「選択」はいつ来るか
運の要素の低下とその残酷さ
「知人に差をつけられる」不安
「新しい安定志向」の登場
▼Chapter3 自分らしさと成長を両立するために
矛盾する二つの気持ちの共生関係
「ありのまま」と「なにものか」のグラデーション
矛盾するあり方、それぞれに必要なもの
「なにものか」になるために必要なもの
①職場の心理的安全性
②職場のキャリア安全性
③仕事の質歴な負荷
「ありのまま」でいるために必要なもの
①フィットした労働環境
②ライフキャリアへの支援
③相互理解
▼Chapter4 三年いても温まらない
1万時間の法則と最低必要努力量
「1万時間」の意味が変わった
崩壊した「石の上にも三年」
新しい働きかたへのクエスチョン
▼Chapter5 巨人の肩の上に乗る
巨人たちのキャリア理論
特性因子理論 -マッチングの問題
ライフキャリア・レインボー -人生は本業の仕事だけではない
キャリア・アンカー -自分にとって本当に大切なもの
4S -変わることを活かす
近年のキャリア理論
プロテアン・キャリア -強さとは変われること
キャリア・ドリフト -まわりに流されることの意味
計画的偶発性理論 -きっかけを逃さないために
サステナブル・キャリア -未来のために、過去をデザインする
越境学習論 -ホームとアウェイを往復する
環境に応じてキャリア理論が生まれる
▼Chapter6 スモールステップを刻む
かみなりがこわくなくなるかいだん
情報か、行動か
「情報だけ」より「行動だけ」
普通にしていたら行動も情報も減っていく
スモールステップの発見
「やりたいこと探し」より大切なこと
小さな行動が持つ大きな意味
五つの小さな行動
①自分のやりたいことをアウトプットしてみる
②背中を押してもらい、パワーをもらう
③目的を持って探ってみる
④試しにやってみる
⑤体験を自分のものにする
意味づけ
「言い訳」から始めてみる
まず「探索者」になる
▼Chapter7 「キャンペーン」の集合でつくる
ライフキャリアの全体と部分
キャリアは同時並行につくられる
キャリアの仮面
満足度とつながる「キャリアの仮面」スコア
「キャリアの仮面スコア」が高い人はどんな人?
仮面はあなたを後押しする
ポジティブ・スピルオーバー
▼Chapter8 “合理性”を超えるために
自律と熱意
キャリア自律の弱点
「仕事を楽しもうとするのはムダだ」
楽しまない者たち
「仕事はつらいもの」は悪ではない
「楽しめるか」と成果は別
逆説的成果主義?
熱意とパフォーマンス、そのいくつかのタイプ
キャリア自律にひとつまみ加える
▼Chapter9 「組織との新しい関係」を築く
「育てると辞めてしまう」という根源的恐怖
会社とゆるくつながる
徐々にシフトするという個人の戦略
コミットメントシフトの知られざるメリット
外を見るほど、自社が好きになる
ライフスパン・コミットメント
組織と対話する
「なぜ、今の会社を辞めないのか」
辞めない理由の稀少性
▼Chapter10 「新しい安定」を実現する働きかたのデザイン
新たな環境を活かす
2回目のイノベーション
「寄り道」と「近道」でつくる働きかたのデザイン
①寄り道 小さく、始める:スモールステップ
①―1 今の環境でできるアクションから
①―2 ゴールテープを張る
①―3 代理指標を見つける
①―4 情報を遮断する
スモールステップについての補足
②近道 同時並行でつくる:キャリア・キャンペーン
②―1 キャンペーンを(再)発見する
②―2 方針を決める
②―3 自分にとってのホームとアウェイを定義する
キャリア・キャンペーン論についての補足
③近道 意味づける:センシング
③―1 意味づけパートナーを(勝手に)アサインする
③―2 岡目八目
センシングについての補足:現在によって過去を変える
④寄り道 ずらしてつくる:コミットメントシフト
④―1 気持ち・時間・お金のポートフォリオをつくる
④―2 理想のポートフォリオをつくる
④―3 余白にスモールステップを組み込む
コミットメントシフトについての補足
良い方向に変化しているか確認するチェックポイント
チェックポイント① 言い訳資本ができたか
チェックポイント② 共感と違和感
チェックポイント③ 不安や焦りを適度に感じたか
チェックポイント④ 焦りを感じる対象
「選択×ゆるい職場」時代の働きかたのデザイン
《著者》
古屋 星斗(ふるや しょうと)
リクルートワークス研究所主任研究員2011年一橋大学大学院 社会学研究科総合社会科学専攻修了。同年、経済産業省に入省。産業人材政策、投資ファンド創設、福島の復興・避難者の生活支援、政府成長戦略策定に携わる。2017年より現職。労働市場について分析するとともに、若年人材研究を専門とし、次世代社会のキャリア形成を研究する。一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事。
ここがおすすめ
“会社は育ててくれない”時代の、成長の機会と時間を自分で生み出す「働きかたのデザイン」の入門書。
